山崎、最高。今回はコレに尽きる。
男がやってるんだろうな、っていうのは予想がついていたけれども、まさか、山崎だったとは。「佐藤君と出会えて良かった。これからも守ってね、佐藤君、はあと」みたいなことを打ち込みながら、「佐藤さん、これがいいんでしょ! 佐藤さんの属性は知り尽くしてしますよっ! そうです、現実の女なんて糞ばかりですよ!! アハハッハハハハハh!!」って言ってる山崎を想像して、吹いた。
佐藤君の妄想力も、ここにきてますますエスカレートしてきてるなぁ。特に、50代になっても、オンラインゲームでRMTすることを諦めていないシーンとか、秀逸すぎる。現実の人間としては、終わっているのに、ゲームの中では英雄として君臨している佐藤君…。本人がそれで幸せならば、それでいいんだろうけれども、周りにいる華族や友達の気持ちになってみれば、どうなんだろうとも思える。70代の親にまで、気を使わせているような、子供が、どんな感じなのかがよく分かったシーンだった。
RMTをしているだろう、佐藤君の同級生である委員長の兄貴は、佐藤君の妄想していた世界に直進しているんだろう。委員長が、ご飯を置くシーンとかが、ヤケにリアルだった。
ゲームの世界は楽しいかもしれないが、やはり、ゲームの世界を楽しむためには、現実世界にいないといけない。精神だけゲームの世界に入っていくことによって、現実世界で体が崩壊したとしても、精神だけ生きていける、なんてことにはならない。現実からは、決して逃れられないのだ。だからこそ、ゲームを楽しむにしても、現実をしっかりと生きなければならない。
が、それが分かっていながらも、ゲームの世界から帰って来れない人もいる。頭では納得していても、帰ってくることができないのだ。何が彼らをそうさせるかというと、それは、今までゲームをしてきたことによって「失った損失」である。「こんなに、現実世界では、ダメな状況にいる。損を一杯したし、時間もたくさん失った。今更、どうしろというのだ。どうしようもない。それなら、これからも、オンラインゲームを続けるしかないじゃないか」という感じだろう。
佐藤君の場合は、そこまで、何かを失ったわけではない。時間的に見ても、1ヶ月程度なんじゃないだろうか。元々、佐藤君はひきこもりなんだから、失うものなど、何もないのかもしれない、という考え方もできる。これが、進学校にいるお坊ちゃまだとしたら、「進学」を失敗するという、損失があるかもしれない。そうなると、ますます、ゲームにのめりこむことになるだろう。
損失の少ない内に、佐藤君を現実に引き戻すために、山崎が取った行動は非常に優れていたものというべきだ。幻想を打ち破ることによって、現実に引き戻させるという手法も良かったと思う。が、反対に、これによって、山崎は、佐藤君からの信用を失ってしまう可能性もあったはずだ。まさに、諸刃の剣だといえる。やっぱり、山崎は、肝の据わった男であった。(考え無しにやった可能性もあるけれども)
それにしても、岬ちゃんの暴走は、正直、止めて欲しかった。岬ちゃんは、小説では、もっと思いつめている感じがする子だったはずなのに。触っただけで、消えてしまうような、儚い存在であるようなイメージを持っていたのに。あのコスプレシーンを見たら、ただの馬鹿女にしか見えない。
次回は多分、委員長からの合コンのお誘いかな、と予想してみる。なぜなら、同窓会よりも良い知らせといったら、そういう想像しか出来なかったから。