真琴の正体が明かされた回だった。
猫に好かれていたから、何か理由があるんだろうとは思っていたけれども、このオチは予想していなかった。原作未プレイだから、結構、衝撃を受けた。今後、真琴がいなくなるんだと思うと、「これが泣きゲーといわれる所以か…」などと、納得してしまう。
前回、森の影から除いていたキツネの描写は、これの伏線だったのか。これまで、草原みたいなところで暮らしていたような気がする、というのは、まさにその通りだったわけだ。猫たんを橋の上から落としてしまった際に、真琴が言っていた発言も、何となく、今回の話で納得できた。
新キャラみたいなのが、真琴の正体をばらしたわけだけど、彼女も何かワケありの様子。過去に、祐一と同じような体験でもしたのだろうか。それとも、いま、まさにしているとか。でも、思い出したくないとか言ってたような気がするし、過去のことなのだろう。
記憶と寿命を犠牲にしてまで祐一に会いたいというのは分かるが、いまの真琴は、その想いを持った真琴ではない。これからどんどんと衰弱していき、やがて死んでしまうらしいが、それは、寿命を犠牲にすることを決意していない真琴に降りかかる悲劇なのだ。
祐一がどうやって足掻くのか。足掻けば足掻くだけ、情が移り、別れが寂しくなると思うが、それでも、祐一がどうするかが、気になる。
正義の味方。
前々回のマスク騒ぎの時に抱いた疑念が、ついに確信に変わった。
なんと、ルルーシュは、オレンジに次ぐほどのネタキャラであったのだ。
本当にこのアニメはどうかしてると思う。そこが面白いのだけれども。
まず、第一に、ルルーシュの行動の一つ一つがネタに思えて仕方が無い。黒の騎士団とかいうネーミングセンスはひとまず置いておくとして、いきなりテロリストたちの前に、無防備なまま現れるその短絡さ。確かに、前回の負けによって、軍隊の必要性を感じたのは分かるが、軍隊とは、烏合の衆のことではない。デスノートのLくらいには、用心深く、仲間選びをした方が良かったのではないかと思う。ゼロを信用していないカレンの仲間が、自分を殺しに来るかもしれない、ということは考えもせず、立てこもりのニュースに集中しているのは、危なすぎるのではなかろうか。ゼロの格好を、他の団員たちにも強要する辺りが、またネタ臭い。
そして、第二に、スザクの正義すぎる臭さに、どうしても苦笑いしてしまう。あそこまで、自分のことを省みずんに特攻されると、何というか、もうネタにしか思えない。コーネリアも、「イレブンが!」とか言ってたから、スザクが、少しづつ、組織の考えを変えていっているみたいだが、ルルーシュの行動のが、見ていて面白いな。
今回の、ルルーシュの宣言により、各地にいる反ブリタニア組織が行動を始めそうだな。そいつらを、どうやって、自己の管理下におくかが、ルルーシュの今後の課題だろう。多分、反ブリタニア組織の筆頭は、奇跡の藤堂みたいな名前の人たちのことだろうから、彼らをどう懐柔していくのかが、見所だな。しかし、ルルーシュの策は、彼らに受け入れられるかどうかは、難しいところだ。もし、策が受け入れられたとしても、どうしてブリタニアを打倒したいのか、という意見に大きなの齟齬がありそうだから、そこら辺もネックになってきそうだ。
なぜか、次回は総集編らしい。もしかして、創作が遅れてたり。
山崎メインの話だった。
どうやら、小説版と同様に、山崎は北海道に帰ってしまうかもしれないらしい。牧場に戻らないようにするには、現在開発中であるギャルゲーで、一攫千金とかを狙い、ゲームクリエイターになるしかないようだ。小説の山崎は、「山崎は実家に帰った」みたいな文で、いつの間にか帰らされていたから、いきなり寂しくなったけれど、アニメの山崎は、もう少しだけ、佐藤君と奮戦してくれるようだから、楽しみだ。
また、アニメの山崎には、彼女?がいるから、その点でも、小説とは違った感じだった。山崎の失恋の後、「絶対にゲームを完成させましょう」と佐藤君に言ってたところが、良かったな。
岬ちゃんの話が全く出てこないんだが、アニメでは触れない方向だったりして。
作家は西村悠だ。本作でデビューしたらしい。
本作は、短編4つ+1つで構成されている。
青年と美少女のカエルが塔の外へ出るために、塔を降りていき、降りた先の階層で、色々なドラマを展開した後、また降りていき、降りた先の階層で色々な…という無限ループになっているらしい。いや、1階に到着した時点で、話は終わりなんだろうけれども。
塔は、階層ごとに、アントロポシュカとかいう神が統治している。アントロポシュカは人間のために統治をするのだけれど、長い年月の中で、どのような統治をもって人間は『幸せ』を得るのかが分からなくなっていき、神は暴走を始める。本当の幸せなんて人間には定義することが出来ない。勿論、それは神にも出来ない。そして、狂った階層世界が生まれ、そこに訪れた青年と、カエルが苦労するわけだ。
階層世界を降りるための条件は、門と鍵であり、門は場所を探さなくてはならない。鍵も探さなくてはならないのだが、なんと、鍵は人であるため、門以上に探すのが大変だ。そして、鍵に出会った青年は、その鍵である人と知り合いになり、鍵の物語に干渉していく。
本作を読んだ時、まず頭に浮かんできたのは、『キノの旅』だ。はっきり言って、読み始めた時は、似ていると思った。青年をキノとすると、カエルがエルメスであって、階層世界が色々な町に思えたからだ。しかし、似ていない部分もある。なぜなら、青年はキノと違い、熱血漢というか、情に厚く、階層世界に干渉し、住民に世話を焼く。キノは、町には干渉しない。カエルは荘厳たる雰囲気をまとっているが、エルメスは道化のようだ。やはり、キャラクターは違った。
だが、階層世界で繰り広げられる、少し悲しくてシュールな物語は、『キノの旅』に似ている。『キノの旅』の方が、最後のオチが暗い気がするが、本作もオチは暗めだった。『キノの旅』の方が、読後に考えさせられることが大きいと思う。
しかし、本作は『キノの旅』よりは、読みやすい。比較的平易な文章が多いからか、会話シーンが多いからか、はたまた、場所移動を大文字で示してあるからかは定かではないが、読みやすいため、物語の中に簡単に浸れることができる。
『キノの旅』に通ずる部分が多いように思えるので、キノが好きな人は、この作品も好きそうだな、と思う。
著者は、成田良悟で、イラストはヤスダスズヒトだ。この人の作品を読むのは、初めてだった。
感想だけど、あんまり自分に合わなかったな、と思う。
あとがきで初めて、セルティが主人公だと気付いた。それぐらい、主人公が誰なのか分からない。色々な人の観点から、様々な事象についてのエピソードがあって、最後にそれらが終結して、一つの物語となる、なんていう構成なんだけど、これがあんまり好きになれなかった。『ブギーポップは笑わない』が面白くなかった自分としては、この構成は合わないんだと思う。ブギーポップよりは、楽しめたとは思うけれども。
やはり、一人の主人公に、ある程度、重いウエイトを置いて貰わないと、誰に感情移入をして物語を読めばいいのか分からない。心揺さぶられる物語というものは、感情移入をしているからこそ、心揺さぶられる物語なのであって、感情移入が出来ない作品は、教科書等と同じで、タンタンとしか読むことが出来ない。タンタンと読み終わった小説には、読後感も糞も無い。何の感慨もなく、「はい、終了」という気持ちの切り替えが出来てしまうのは、あんまり好みではない。
最初の方は、とことんつまらなかったから、冒頭で読者を物語の世界に引き込む、というのは出来ていないように思えた。中盤辺りから、どんな世界なのか、というものが分かってきたから、読めるようにはなったけれども。最後の方に、ダラーズの創始者は誰なのか、というのがサプライズとしてあったが、「ふーん、そうか」程度にしか思えなかった。この作品が面白いといっている人は、衝撃だったかもしれないが。
とにかく、『ブギーポップは笑わない』を楽しめなかった人は、買うべきではない作品だと思う。
この作品が面白ければ、続けて『バッカーノ』も買って見ようと思っていたが、どうしようか迷ってしまうな。