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ライトノベル・アニメ・フリーADV・フリーRPG等の感想を書いたり、撒き散らしたりする。基本的にネタバレで感想を書くのでご注意を。不定期更新です。
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第五回電撃hp短編小説賞銀賞作品だ。
作家は西村悠だ。本作でデビューしたらしい。
本作は、短編4つ+1つで構成されている。
青年と美少女のカエルが塔の外へ出るために、塔を降りていき、降りた先の階層で、色々なドラマを展開した後、また降りていき、降りた先の階層で色々な…という無限ループになっているらしい。いや、1階に到着した時点で、話は終わりなんだろうけれども。
塔は、階層ごとに、アントロポシュカとかいう神が統治している。アントロポシュカは人間のために統治をするのだけれど、長い年月の中で、どのような統治をもって人間は『幸せ』を得るのかが分からなくなっていき、神は暴走を始める。本当の幸せなんて人間には定義することが出来ない。勿論、それは神にも出来ない。そして、狂った階層世界が生まれ、そこに訪れた青年と、カエルが苦労するわけだ。
階層世界を降りるための条件は、門と鍵であり、門は場所を探さなくてはならない。鍵も探さなくてはならないのだが、なんと、鍵は人であるため、門以上に探すのが大変だ。そして、鍵に出会った青年は、その鍵である人と知り合いになり、鍵の物語に干渉していく。
本作を読んだ時、まず頭に浮かんできたのは、『キノの旅』だ。はっきり言って、読み始めた時は、似ていると思った。青年をキノとすると、カエルがエルメスであって、階層世界が色々な町に思えたからだ。しかし、似ていない部分もある。なぜなら、青年はキノと違い、熱血漢というか、情に厚く、階層世界に干渉し、住民に世話を焼く。キノは、町には干渉しない。カエルは荘厳たる雰囲気をまとっているが、エルメスは道化のようだ。やはり、キャラクターは違った。
だが、階層世界で繰り広げられる、少し悲しくてシュールな物語は、『キノの旅』に似ている。『キノの旅』の方が、最後のオチが暗い気がするが、本作もオチは暗めだった。『キノの旅』の方が、読後に考えさせられることが大きいと思う。
しかし、本作は『キノの旅』よりは、読みやすい。比較的平易な文章が多いからか、会話シーンが多いからか、はたまた、場所移動を大文字で示してあるからかは定かではないが、読みやすいため、物語の中に簡単に浸れることができる。
『キノの旅』に通ずる部分が多いように思えるので、キノが好きな人は、この作品も好きそうだな、と思う。
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